小さなお子さんからお年寄りまでストレスを持たない方は、いないに等しいのではないでしょうか?
しかし、全てのストレスが悪いともいいきれません。
適度なストレスは交感神経系を目覚めさせ、判断力、行動力を高めます。これを快ストレスと呼びます。
では一体ストレスの正体は何なのでしょうか?
ここでストレスについての西洋医学的な見解をご紹介しましょう。
日常生活におけるストレスは、大きく分けて3つあります。
1つ目は気温や騒 音、振動といった物理的ストレス。
2つ目が過労・重労働や細菌 感染といった生理的ストレス。
そして3つ目が職場や家庭における人間関係の不満に代表される社会的・心理的ストレスです。
私たちの体には、これらのストレスに遭遇したときに、体の調子をできるだけ普段通りに保とうする働きが備わっています。
こうした体の調子を整える働きには自律神経系、ホルモン(内分泌)系、免疫系が重要な役割を果たしています。
従って日常生活で私たちは、体内のこれら3 つの仕組みを駆使して、上に述べたようなあらゆるストレスに対応していると言えます。
そしてストレスが過剰になりこの対応能力の限界を超えると、様々な病気や症状が生じることになります。
このようにストレスが原因によって生じる様々な疾患はストレス疾患という総称で呼ばれます。
ストレス疾患の代表的な例としては、ストレス性の胃炎が挙げられるでしょう。
皆さんの中には「ストレスで胃に穴が開いた」という話を耳にしたり、あるいは実際に経験したことがある方々もおられることと思います。
平常時の胃は、体内に入ってきた食物を消化するために胃酸を分泌しています。
この胃酸の分泌をコントロールしているのが自律神経系です。
従って過度のストレスによって自律神経系が暴走すると、胃酸を過剰に分泌するようになり、食物だけではなく胃の粘膜そのものも溶かしてしまいます。
こうして胃に穴が開く、すなわちストレスによる胃潰瘍が生じます。
このように過剰なストレスは私たちに本来備わっている体の調子を整える働きを破たんさせる原因となりますが、一方で日常生活においてストレスが全くない状況というのは考えられません。
従って私たちは日常のストレスと上手に付き合っていくことが重要です。
具体的には、少々のストレスに対して適応できる「こころ」と体を作ること、そして休養によって心身のリラックスを心がけることが特に大切です。
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