肝臓は約3000億個以上の肝細胞が集まってできています。
肝細胞が次々と壊れていく肝臓病では、余力のある臓器なので、少々悪くなっても自覚症状は出にくいようです。
したがって、自覚症状が出た時には肝細胞の大部分が壊れてしまっているケースがほとんどです。
自覚症状のうちの黄疸が出てはじめて肝臓病に気がつくケースは全体の3割で、健康診断などの機会に偶然発見されるケースが7割を占めているそうです。
これが「肝臓は沈黙の臓器」と言われる理由でしょう。
では一体、肝臓はどんな働きをしているのでしょう。
ここで肝臓病についての西洋医学的見解をご紹介します。
肝臓は脂肪をはじめとする食物エネルギーの代謝の中心的役割を担っています。
これに加えて肝臓には体内に入ってきた異物を解毒する働きも備わっています。また、体内に入ってきたアルコールも肝臓で分解されます。
このような肝臓の機能に障害を引き起こす二大原因は、肝炎ウィルス、そし てアルコールの過剰摂取です。
肝炎ウィルスは主に血液を介して感染し、比較的長期間の感染期間を経た後に、 慢性肝炎、肝硬変そして肝がんへと進行する原因となっています。
日本では海外から輸入した血液凝固製剤に肝炎ウィルスが混入していた可能性が報告されているため、現在は献血された血液の厳重な精査といった血液安全対策が施されています。
血液に代わって肝炎ウィルスの感染経路として新たに問題となっているのが豚肉をはじめとする食肉です。
この食肉由来の肝炎ウィルスに関しては不明な点が多くあるため、現状では非加熱の獣肉を摂取することには注意が必要です。
過剰なアルコールの摂取は肝臓に負担をかけます
一方でアルコールの過剰摂取による肝機能障害は、全世界の肝臓病症例の50%を占めていると言われています。
上述したように、肝臓はアルコールの代謝以外にも様々な重要な役割を担っています。アルコールを過剰に摂取すると、 肝臓はアルコール分解だけでオーバーワークとなり、脂肪の分解をはじめとする他の機能がおろそかになります。
アルコールを多飲される方に脂肪肝が多いのはこのような原因によります。
適量のアルコール摂取はストレスの発散や食欲の増進に効果があることが認められていますが、度を越して肝臓に負担をかけることは避けましょう。
適度な飲酒量は一日あたり日本酒一合、ビール中びん1本相当と言われています。
この目安を参照に普段から肝臓に負担をかけずに飲酒を楽しむことが重要です。
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